2006-08-31
沈まぬ太陽
![]() | 沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 山崎 豊子 (2001/12) 新潮社 この商品の詳細を見る |
凄い本だったな。2005年の8月にテレビで放映された、御巣鷹山に墜落したジャンボ機事故のドラマを見てから、この事故関連の本を読みあさっている。この本は名前こそ違うが、事故を起こした航空会社をバッサリと斬り捨てている。全てが金の魑魅魍魎達、正しい事をしようとするが故に組織から阻害される主人公。ここまでされて尚もこの組織に留まる理由は、同じく組織から阻害を受け、空の安全を守ろうとする同士への信頼だった。その正義をあざ笑うかの様な腐った組織形態。本当にこんな会社なのだろうか?この航空会社の飛行機には二度と乗りたくないと思った。御巣鷹山事故の遺族の方々は、この本を見て何を思うのだろうか?尊い520名の命は、こんな魑魅魍魎達のせいで犠牲になったなんて哀しすぎるではないか。
ノンフィクションタッチの小説だが、真実が何処にあるのかは読者のモラルにかかっているのかもしれない。これをそのまま信じ込むのも勝手だし、一方的な手法を疑うのもそうだ。ワシが凄いと思うのは、これだけの事を書いてしまった事による圧力を、筆者は覚悟しているんだろうと言う事。それだけこの事故への想いが強いのではないだろうか。小説の中でも、事故現場の壮絶さを分かっているのはその現場に携った者だけで、組織の上の人間は情報を操るだけで真実を見ようとはしていなかった気がする。
今年2006年の8月12日、日本航空を定年退職した元社員の方が、遺族をオンブして御巣鷹山を登る光景があったが、20年以上経ってやっと遺族の許しを請う事が出来る様になったのではないだろうか?何年経とうが消えない傷が、少し癒えた様な光景だった。
『命の値段』遺族に対する保証交渉をする巻があったが、日本人には馴染みが薄いしとてもドライに感じた。人1人に命が、お金に計算出来る計算方法があった事も驚きだが、やはり20年以上経って初めて補償交渉が出来るのではないのかと感じた。
全五巻と、スケールの大きい小説だが、2008年に角川ヘラルドより映画化が決定したようである。http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20060531-OHT1T00036.htm角川のホームページでも、制作が報告されていました。http://www.kadokawa-herald.co.jp/movie/movie_lineup_n.html
反響も色々あるようです。http://www.jalcrew.jp/jca/public/taiyou/asahi-shintyou.htmhttp://www.rondan.co.jp/html/ara/yowa3/
このドラマが、フィクションなのかそうではないのかは、読者が自由に感じれば良いのかと思う。今年事故から21年目。改めてご冥福をお祈り致します。


