今日もまた呟き

その名の通り、呟きメインのノンジャンルブログ

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スタバでホタルの光

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こないだスタバで読書をしていた時に、摩訶不思議な親子に出くわした。読んでいたのは桜庭一樹のゴシック2。座っていたのは二階の奥の席。ソファー席が三つあって、その真ん中に陣取ったのだが、店は満席で入れ替わり立ち替わり客が変わる。そんな中、自分はマイペースに読書を進ませる。桜庭一樹.... 『私の男』『ピンク』で幻滅したが、過去の作品はやはり面白かった。

店に入ってから一時間半程経過した時、左隣の大学生らしき二人組が帰った。時折「Oh my god!」と、発する彼女たちは何やら音楽の構成を考えているようだった。このフレーズをどれくらい使うか、この曲を使ったらお気に入りのこの曲は浮かないか?等、ヘッドフォンを片手に語っているのを聞き、少し興味がわいた。桜庭一樹を読みながら、どうしても周りの人間観察に意識が向く。

彼女たちがいた席が空くと、徐に鞄を投げつける女の子が一人.... 本から顔を上げて彼女を見ると、普通の顔だがどこか狂気に満ちた空気を放っている。今までいたらしい席には、母親らしき人物の姿があった。おそらくソファー席が空いたために異動をして来たと思われたが、どこか雰囲気がおかしい。母親は落胆し、前の席から異動しようとしない。娘らしき狂気に満ちた女の子は、店員に何やらクレームをつけている。店員は、「かしこまりました」(と聞こえた)と発し、一階へ消えて行った。恐る恐る母親がワシの隣の席にやってくる。見つめあうface to face。しかし会話は無い。空気だけが目まぐるしく交差している。発したのは女の子だった。

娘:「あんたさ、どうしていつもそうなの?あんたの何もかもがむかつくんだけど。」

母:「ママだって一生懸命やってるわ....」

娘:
「はっ?何がどう一生懸命なの?あんたはいつもそう。そうやって逃げてばかり。何がどう一生懸命なの?一生懸命、一生懸命って、同じ言葉並べれば良いってもんじゃないの。私の為に何をしてくれているのか、私の為に何を捧げてくれているのか、私の為に何を犠牲にしてくれているのか?ほらね、なにもしてないじゃない。だからあんたは駄目なの。いつもいつも口ばっかりで、何もしていない。私を大事に思ていない証拠でしょ。思っているならば、もっと幸せを感じさせてくれなければ駄目。形ばかり飾ったって駄目。具体的な形が見えないとだめ。あなたは....」

piccoloの心の声:
「この異常なまくしたて方、渡る世間は鬼ばかりばりの長台詞、絶対おかしい。」

徐に帽子をかぶりだす母。

piccoloの心の声:
「母、キレて帰るか....」

またもや二人の間に会話が無くなる。そしてスタバの店員がマグを持って「申し訳ありませんでした」とやって来る。

娘:「ありがとう」と笑顔。

再び母親に猛攻撃開始。

娘:「何帽子かぶってんの?」「逃げたい訳?」

母:「....」
娘:「悪いけど飲み終わるまで帰れないから.あんたそう言う運命だから」

母:「....」

母親が唐突にアクションをとる。なにやら紙袋をゴソゴソとやり始める。何かを取り出そうとしているように感じた。

piccoloの心の声:
「ヤベ。凶器か?」

一心不乱に紙袋を探す母。桜庭一樹どころではない。今まさに殺人事件が起こるかもしれない場所に居合わせているのだ。とても迷惑な感じが自分を襲う。早くその場を立ち去りたかったが、自分がアクションを起こした瞬間に、ターゲットがワシに向きそうな感じもし、桜庭一樹を読むフリをしながら、全神経はこの親子に向いていた.気がついているのはワシと店員の二名のみだと思われ、トラブルに巻き込まれるのだけは勘弁と、この親子の動向を見守った。

母:「はいこれ」

何やらプレゼントを渡す母。

娘:「超可愛い」「これ、うちの物置にちょうど良くない?色とかも最高だし、このイケてない感があんたらしくて良いし」

感謝の気持ちをぶちまける娘.それは本当に嬉しそうなのだが、出て来る言葉が、どことなく滑稽で、喜んでいるのか嫌味を言っているのか理解出来なかった。しかし、二人の間はハッピーな物になり、今度は和気あいあいな空気に包まれだした。とにかくでかい声で話し合う親子、再び桜庭一樹に目を向けるが一向に集中出来ない。「帽子をかぶるから帰りたいのかと思ったわよ。」「バカね、あなたを置いて帰る訳ないじゃない」殺人事件が未遂で終わったワシの隣では、今度は大声で親子の話が展開されて行った。

今までジャズアレンジのクリスマスソングがかかっていた店内。何やら寂しげなメロディーが流れた。ジャズアレンジではあったが、間違えなく『ホタルの光』だった。その曲が1コーラス流れると、再びクリスマスソングになって行った。

あまりにギャップのある選曲だったが、しばらくは何も感じなかった。しかし、マイナス思考のワシは、長居している事への店からのバッシングかと思い、読書を止めて帰ろうかと思った。しかしよく考えたら、読書しているだけで店に迷惑をかけている訳ではない。店から嫌われているのかと自分を疑ったが、もしかするとワシの隣の親子みたいにクレーマーがいる事を共有する為に業務連絡としてホタルの光を流したのではないか?と思うようになった。ほんの一瞬だった。1コーラスだけホタルの光... これが何を意味するのであるかははっきりしないが、スタバでの読書はこの親子のせいで全く進まなかった。調度、物語の主人公一弥がヴィクトリカを守る為にハーマイニアの一撃を辛うじて避ける場面で、母が娘に、「今、あなたの後ろから黄色い変な物が見えたわよ。」そう問いかける.娘は「何?天使かしら。」そう答える。怒りを抑えながら物語を読み進めていると、娘から黄色いハエが飛び出し、ワシの顔を霞めて行った。ワシは思わず表情を変え、恐怖を顔に出してしまった。すると、今まで距離のあったワシと、この親子の間が少し縮まり、親子の会話にワシが登場するようになった。もう死んでくれ。

「可愛くない?」

おい娘、いい加減死んでくれ。
そう思いながらも全神経は、この親子を捉えている。ランドリーのTシャツと、ピアスアレンジの事をさしているらしかった。もちろんワシの事ではない。可愛い話から、美容整形の話になって行った。おそらくトラガスに空いたピアスを見て、レーザー治療の話にスイッチしていた為だと思われる.親子の会話からワシが消えた。ホッとし、スタバを後にしようとした瞬間、娘の電話に通電。仕事の話だと思われるが、大声で電話する彼女の空気がまた変わった。恐ろしく短い時間で空気を変える子だと思いながらスタバを後にした。意識が他に移ったタイミングで、気付かれずにこの親子から去りたかったのだ。空気が変わった娘を見た母は、再び帽子をかぶり帰宅するアクションを起こしていた。この親子を尻目に、自分にこう言う苦労がない事を幸せに思うのだった。

この親子とスタバのホタルの光...
真実は解らないまま、ワシは妄想にふける。

久々に Text on a Mac

piccolo
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