2006-07-02

区切り

一つの終止符を迎えた。複雑な事情を抱えながらも、負荷の多かったフロアの利用者が他界された。職員は,一人一人の利用者に思い入れがあると思われるが、一人に時間をかける事は許されない。その時間を作れと言うが,それは建て前だ。1人に時間をかけていたら、業務が終わる訳がない。その環境の中、医療行為が必要な方だった。うちのホームは,介護職員が医療行為や医療処置を行う事はあまりない。家族の想いと、介護サービス、医療行為、行う事は難しい物ではなかったが、沢山の負荷の中にその問題が来る事が大きい。ボディーブロー一発では倒れないが,何発も喰らうとダウンに至る。そして,ボディーで倒れたら,立ち上がる事が出来ない。そこが恐い。

見た目にその負荷が分からない。だから職員がつぶれて行く。なんでなんだろう、こんな楽なホームなのに。そう、運営サイドは言っている。何を見て楽なのか?机の上で数字を見るだけじゃ、ホームの問題なんて見える訳がない。大変だったが,この利用者のお世話,お手伝いのために口には出さず淡々と勤める担当職員の姿があったと思う。

そして今日,その方が亡くなられた。クレームの多かった家族だったが、こう言う形で最後を迎えられた事に好意的な様子が伺えたようだった。

自分は,途中から人事異動で今のホームに居る訳だが,昔からここで働いている職員は特にこの方の「死」は特別な想いがあるのではないだろうかと思う。正直、1人の利用者に対して沢山の思い入れはない。自分の介護暦の中で,何か一区切りしてしまったようだ。その日以来、介護職に就いた時の熱い思い等はあまり無くなってしまった。死に対しても,鈍感になってしまったのかもしれない。そんな自分が介護なんてしてて良いのかと思うが、考えた末に長年勤めた職場から今の職場に異動して、こういった節目を感じると、何か感傷的な気分になる。

何もかもが噛み合っていなかったが、自分は,自分が出来る事の全ては行う事が出来た。そう信じたい。そして、自分に向き合った時に、なぜかホッとする。無力だが,その現実から逃げなかった事が誇りに思える。こうしてまた,新しい事にチャレンジして行かなくてはならない。

今はこの方のご冥福をお祈りしたい。

theme : 介護
genre : 福祉・ボランティア

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