今日もまた呟き

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ひげ剃りのお礼

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数日前、救急搬送があった日に、ある事件が起きた。救急対応でドタバタの中、それ以外では日常と同じサービスを提供せねばならない。気持ちはとても焦っている中、ある利用者、仮に『来世様』と呼ぼう。この方のご家族が、ひげ剃りをワシに持って来て、父がひげが剃れないと訴えているのですが、修理に出して頂けますか?そう訴えられた。

自分は心の中で、「そういえば...」と思った。購入してから一度もひげ剃りの掃除をしていないのではないか?ご家族も、ひげがいっぱい中に詰まっていて.... そうおっしゃっている。「では、私が掃除してみますので一度ひげ剃りを預からせて頂いてもよろしいでしょうか?」と、ひげ剃りを預かった。ちゃっちゃっちゃっと、ひげ剃りを掃除すると、出て来る出て来るひげの固まりが。ひげなのか、垢なのか分からない様な物がたっぷりとでて来た。他で救急対応が起きているので、自分の心は決して落ち着いていなかったのだが、あちらはあちら、こちらはこちらでの対応を、なんとかこなせていたのだと思う。

掃除をしたひげ剃りをお渡しし、「水洗いしましたので、乾燥するまで今しばらくお待ち下さい。明日使用してみて、剃れないようなら修理に出しては如何でしょうか?」そう氏と、ご家族にお伝えし居室を後にした。実は心の中では「明日になれば忘れてしまうだろう....」と言う気持ちがあった。認知症を患っている事で、このような対応を忘れてしまう事は常である。

昨日、出社すると他の介護職員が全員ニヤニヤしている。申し送りを受ける前から「来世さんが、piccoloさん指名でお待ちです」等と言われ、「また、何を混乱しているんだ?」そう思っていた。しかし混乱ではなく、ひげ剃りの件の事でお礼がしたい旨を聞き、「ああ覚えていたんだ」と、記憶力の不思議を感じた。覚えている事と、忘れてしまう事、本人の潜在意識の中で、ひょんな事は覚えていたりするんだと、この病気の難しさを感じた。ひげ剃りは、氏が必要不可欠とするツールだったのだ。それだけお洒落に気をつけて来た方なのだろう、ひげが剃れない事を毎朝ストレスに感じていたのかもしれない。その不安が取れた事からか、ひげ剃りを掃除した事を覚えていたのである。

ご家族に「アロハシャツをプレゼントする」と訴えがあったそうだが、金品が受け取れない事情を懸念し、もう少し小さな物をと靴下を頂いた。通常であれば、絶対に受け取ってはならない物なのだが、これを受け取る事もケアである。受け取る事で、来世様の気持ちが落ち着いたようである。それまでは、男性を見るたびに、「piccoloさん? あなたがpiccoloさん?」と声をかけていたそうだ。利用者の家族、自分以外の男性職員、共有部を掃除しているおじさんにまで声をかけていたそうな。その声をかけていた人物像が、すべて40代だったことが、来世様が捉えるpiccolo像を伺い知れる。(外見、そんなに老けていないが....)

居室でのやりとりを、介護職員二人とナース一人の計三人がニヤニヤしながらみていたそうな。老人ホームらしい、ちょっとホッとするエピソードかもしれない。

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piccolo
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