2008-03-02

介護福祉士 実技試験終了

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実技試験が終了した。
取りあえず2007年度のスキルアップは、これで全て終了した。10月に介護支援専門員を受験し、1月に介護福祉士の筆記試験、そして今日介護福祉士の実技試験と、全ての試験が終わった事に心から安堵している。介護職へ転職してから、ぼんやりと掲げた1本の旗。そこに向かってひたすらに努力をしてきた。それが全て終わったのだ。

第二十回介護福祉士実技試験の試験課題は、冒頭の写真。
原文
鈴木 良さん(85歳)は、右半身に麻痺があり、起き上がりや、歩行に一部介助が必要です。

今日は、体調不良のため部屋で食事をする事を望んでいます。ベッドで側臥位になっている鈴木さんをテーブルまで歩行介助し、いすに腰掛けさせ、食事ができる姿勢にして下さい。

その後おしぼりで手を拭き、飲み物を用意してすすめるまでの介助をしてください。

なお、鈴木さんの履物は省略します。
鈴木さんは、「はい」または「うなずく」のみです。

(試験時間は5分間以内です。)

試験前、別室で課題を渡された時には、「ゲッ簡単じゃん」と思った。技術よりも、より丁寧な声かけと介助が重視される事を予想した。およそ10分間、イメージトレーニングする。左手でサイドレールを持ってもらう、左足で右足をすくってもらう。自分の力で体を起こしてもらう。一部介助する。その都度声かけを行い、体調不良からの気分不快の配慮をする。頭の中で何度もシュミレーションする。ここ数週間、介護現場で声かけの訓練をくり返していた。何度も噛みながら、練習をくり返した。
いざ、本番を迎える。

教室に入ると、ベッドに若い女の子が横たわっていた。鈴木さんって女性かぁ...と、シュミレーションの中に性別を考慮していない事を悟った。性別によって声かけが変わってくるが、答えを見いだせず、本番を迎えた。まず、ベッドにサイドレールがない事からパニックが始まる。ずっとサイドレールを持って起き上がってもらおうと思っていたので、これは致命的な現状が押しかかってきたと言って良かった。読んだテキストは全く役に立たなかった。全ては、ここ数年で現場で行ってきた事をやった。声かけのポイントは押さえつつも、サイドレールがないことから頭の後ろに手を入れ、左手でベッドを押しながら起きてもらった。声かけし、腰を前に出して欲しかったが、モデルが動かなかった。きっと正解とは違う形になった為に、アドリブがきかなかったと思われる。そこから、自分の介助方法が少し他の人と違う事がすぐに解った。起き上がった時に、殆ど足は地に着かず不安定な姿勢だった。声かけしても、戸惑うモデルさんに、「もう少し浅く腰掛けてもらいたいので、お手伝いしながら腰を前に出しますね」と言いながら、全介助で浅く座らせた。この声かけ、恥ずかしいぐらいに震えている。緊張する事は予想していたが、頭はクリアーなのに声をコントロール出来ない事が悔しかった。声は震えたが、ゆっくりと喋る事は自分の中での課題をクリアしていた。

麻痺側の足を保護しながら立ってもらい、気分不快がないかの声かけ、するとモデルさんが歩き出してしまう。どっちの足からと言わずに、勝手にテーブルの方へ歩いてしまう。「ん〜」難しいと思うが、モデルさんは答えを知っている事を悟ってしまう。その後、三歩と歩かずにテーブルに着いてしまう。椅子を手で固定し、左手を椅子の背もたれにかけてもらう。左足を軸に腰を椅子に向けて下さいと声かけ。ゆっくり腰をかける。深く座ってもらい、テーブルをモデルさんによせた所で時間になった。

自分の中で三つミスがある。起き上がるときの介助、浅く座らせる介助、歩き出すときの声かけ。この三つ。時間内に全てを終わらせなくても良い事は聞いていたので、それまでに何点とれ、何点減点されていたのか?筆記試験の時には、手応えがあった。しかし実技試験は、全く手応えがない。やはり人間対人間なので、相性もあると思うし、1+1=2ではないテストだと実感している。しかし85歳のモデルさんを、10代後半か、20代前半の若い女の子にさせると言うのはどうかと思う。答えを導いてしまったり、アドリブがきかずに困惑してしまう事に本当に国家試験か?と言う印象を持ってしまった。少なからず、試験に向けて真剣に勉強している。その勉強が、試験をクリアするだけの物の様な気がしてならない。それが試験なのだと言われればそれまでなのだが。

勿論合格したい。しかし、これで合格だったら、「これで良いのか介護福祉士」と言う印象をぬぐい去れない。施設で働いていると、やはり課題を最後まで時間内にクリア出来ないのは致命的だと思う。実は施設こそ時間で動いている大前提の中、こう言った利用者本位の理想を掲げられるので、色々な問題が発生すると思う。時間内に、ある程度の業務をクリアしていないと大問題だ。少なくとも我々は時間に左右される。利用者本位、大いに結構だと思う。しかし、どこかで線引きをしないと謝った解釈が生まれてしまう。この試験で、何が問われているのかよく解る。しかし、それで良いのだろうか?試験で緊張しながらも、何かを変えて行かねば日本の介護は良くならないと感じた。そして、試験のやり方自体にも問題があるように感じる。これならば、講習を受けて実技免除になった方が意義を感じる。なぜ利用者本位か?その介助がどう言う意味があるか等、時間をかけて勉強した方がベターだと。利用者本位の介護士を生み出そうとしている国家が、流れ作業で試験をしている。とても滑稽な風景を目の当りにした。

自分は午前の試験時間だった。なんと拘束時間が長い事か。八時四十分に受付終了し、試験が始まるのが九時過ぎから、およそお昼まで。一体何人の人がこの時間に試験を受けているのか解らないが、たった五分の試験だ。始まるまでに数時間、終わってからも数時間、拘束しすぎだ。五分の試験に、一時半まで拘束するのは行き過ぎだと思う。エコノミー症候群を懸念せざるを得ない。午後の受験者が、試験終了と共に帰宅出来た事を聞くと、午前の受験者の方が負荷がかかっている気がする。

色々書いたが、とにかく終わった事に安堵している。そして、自分だけが闘ったのではない事を実感ししている。沢山の人達を巻き込んで、今日の日を迎えた事を申し訳なく思う。まわりの人のバックアップに感謝しつつ、自分を審査してくれた方、モデルをしてくれたボランティアの方、全ての人、物に感謝したい。そして明日からの仕事に気持ちを切り替えて行く自分が居るのだった。

piccolo

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