2006-11-29
犠牲(サクリファイス)?わが息子・脳死の11日
| 犠牲(サクリファイス)?わが息子・脳死の11日 柳田 邦男 (1999/06) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
読みやすかったな。
テーマは重いけど、一方的な物の見方をされない心遣いが伺えた。物事を360度の目線で説明されているので、ごり押しな文章じゃなかったし、沢山分かった事もあった。何が惹かれる理由か分からないけど、夜勤の仮眠休憩の時間に一気に読んだ。何が面白くて、何に惹かれたのか分からないのだから説得力がないが、これだけ重たく難しいテーマを自分が読めたのだから、相当優しく書かれていると思う。無くなられた洋二郎さんの目線を想像出来る事も興味深かった。なぜ心病む人に「頑張れ」と励ましてはいけないのか。自分なんかが解らない心の闇と、常に闘い続けているんだと言う事。そして、その答えは自らの命を絶つと言う事。言葉にすると簡単だけど、その心の闇ってどんな世界なのかと言う事を少しだけ理解出来た事が大きかった。自ら命を絶ち、救命病院で脳死になる。机上論では絶対に計算出来ない真実が、この本にはあると思う。とても熱い本だったけど、熱いまま語らずに淡々と進んで行くのが真実味を感じさせられる。自分の死、相手の死、他人の死、死の受容の在り方を、経験していなくても想像させてくれる本だ。死の話はタブーではない。むしろ、いつ訪れるか解らない『死』をどう迎えるか、生きた証をどう残していくか、難しい問題なのに解りやすく書いてあった。脳死どうのこうのは全く解らないが、一人称、二人称、三人称の死の違いはとても共感出来た。他の作品も見たい気持ちがいっそう深まった。
