2008-06-26

荒野

荒野荒野
(2008/05/28)
桜庭 一樹

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すげえ面白くて、500ページ近くあるのに短期間で読み終えた。(自分にしては)

途中主人公の荒野の年齢が解らなくなることがあったが、10代前半の恋物語。なんと言っても情景が目に浮かぶ。北鎌倉、小町通り、鶴岡八幡宮、鎌倉の観光名所が物語には沢山出て来る。そこで展開されていく荒野の恋物語は、鎌倉と言う舞台が良く合っている。この小説も、読んでるうちに引き込まれる内容だった。

一部〜二部は、2005年〜2006年の作品だそうで、三部は今回書き下ろされたとのこと。大人になる事の気怠さを感じつつも、爽やかに物語の幕が閉じられた事に、また良い余韻が残るのを感じる。

なんと言っても直接サインしてもらった本だしとても思い入れがあるかもしれない。

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piccolo

theme : 読書
genre : 小説・文学

tag : 桜庭一樹 荒野

2008-06-25

赤×ピンク

赤×ピンク―Sakuraba Kazuki Collection (角川文庫 さ 48-1)赤×ピンク―Sakuraba Kazuki Collection (角川文庫 さ 48-1)
(2008/02)
桜庭 一樹

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格闘技の話だった。
桜庭一樹さんは、K-1がお好きだったんですね。しかも極真空手の有段者。すげ〜

本の内容は、正直あまり覚えていない。今まで見た中でも、描写が浮かび難い小説だった様な気がします。ガールファイトなる物が、実在するのか解りませんが、頭に出てくるのは女子プロでした。今まで魅力に感じたミステリアスで、華奢なイメージとはちょっと違う小説だった。友人が、『私の男』とこの『赤×ピンク』を読んで、桜庭一樹はゾーン外と言われ、なんだか寂しくなりました。

確かに危なっかしい華奢なヒロインも、ミステリアスなストーリーもなかったけど、癒しの時間を得るには十分でした。

思った事は、これだけの文章が書ける桜庭一樹さんでも、気怠く感じることがあると言う事。人に読んでもらえる文章を書くって、とっても凄い事なんだと改めて感じた。この小説は、あまり面白いと思えなかったけど、ハマった作品の数々(砂糖菓子、ブルースカイ、少女には向かない)は、本当読みやすくて面白かった。

さあ、次の桜庭作品に切り替えよう。

piccolo

theme : 読書
genre : 小説・文学

tag : 桜庭一樹 赤×ピンク

2008-06-13

桜庭一樹サイン会

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桜庭一樹さんに会って来た。サイン会のお知らせの写真は和服姿で大人っぽい感じだったが、実際はとても可愛らしい女性だった。でも、仕事とは言えずっとサインを書いているのは大変そうだった。中にはしつこそうな輩もおり、淡々と進んでいたがストレスは相当な物なのではないだろうか?あまり年の変わらない自分が、彼女の世界に引き込まれた何かを見たかったのだと思う。それくらい自分に影響を与えている人だ。一体どんな人が、あんな世界を描けるのかに興味が湧いてしまったのだった。

実際は、テレビで見た感じと同じ。ロリでポップでお姉さんっぽい魅力的な女性だった。

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theme : 今日の出来事
genre : 日記

tag : 桜庭一樹

2008-06-06

私の男

私の男私の男
(2007/10/30)
桜庭 一樹

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やっと読み終わった。今まで読んだ桜庭作品の中で、一番読み辛かった。自分にも読める事が嬉しかったのに、やっぱり直木賞を受賞する小説は難しくなくてはいけないのだろうか?読み終えてホッとしたのが正直な感想。途中で挫折したら、また読書から遠のいてしまいそうだから。

内容はどうも共感出来ないのね。なんと言うか、官能小説なんだよね。とっても表現や文章は上手なのだけれど、自分には中途半端。衝撃でもないし、エロくもない。ヌイてくれるのかヌイてくれないのか、どうも解らない。キャバクラでもなく風俗でもない感じ。って、どんなやねん!

さあ、次の桜庭作品に移ろうと思う。
それでも桜庭一樹さんの文章が好きなのね。ハマっているのね。

piccolo

theme : 読書
genre : 小説・文学

tag : 桜庭一樹 私の男

2008-05-22

『砂糖菓子の弾丸は 撃ちぬけない』

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)
(2004/11)
桜庭 一樹むー

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『砂糖菓子の弾丸は 撃ちぬけない』を読んだ。ますます桜庭ワールドにはまっている。最初に読んだ桜庭一樹は、少女には向かない職業。その後ブルースカイ、そしてこの『砂糖菓子の弾丸は 撃ちぬけない』に続いた。鞄の中には、『私の男』、桜庭一樹を読む事が今の喜び。

『砂糖菓子の弾丸は 撃ちぬけない』は、一番読みやすかった。物語もレズビアンや、SMテイストを、13歳の少女に微妙に絡めて、ロリなイラストで進んで行く。ラストシーンは、これらの描写が重く心にのしかかる。頭や心に描かれた海野藻屑が引き裂かれる。妹をレイプされたかのような衝撃が心に残る。淡々と読む進むうちに、読まずにはいられなくなる桜庭ワールド。今回もノックアウトである。

theme : 読書感想文
genre : 小説・文学

tag : 砂糖菓子の弾丸は 撃ちぬけない 桜庭一樹

2008-05-17

ブルースカイ

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)
(2005/10/07)
桜庭 一樹

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桜庭一樹にハマっている。
ハードカバーが嫌いなので、私の男はまだ読んでないのだが、
既に家にあったりする。少しずつ読んでいるのだが、読み終わるとすぐに次の桜庭作品が読みたくなる。

このブルースカイは、前回読んだ『少女には向かない職業』とは違い、色々な世界観を見せてくれる。サスペンスかと思いきや、おもいきりSFだった。中世の魔女狩り、近未来、そして現代、携帯電話が結ぶ世界は、ネット社会の象徴?それとも批判?

何はともあれ、読み進まずにはいられない文章。その世界観にどんどん引き込まれる。何が主軸か?ブルースカイの正体は?

theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

tag : 桜庭一樹 ブルースカイ

2008-05-05

少女には向かない職業

少女には向かない職業 (創元推理文庫 M さ 5-1)少女には向かない職業 (創元推理文庫 M さ 5-1)
(2007/12)
桜庭 一樹

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ザワザワしながら読んだ。
読みながら、色々な残酷を肯定するかのような錯覚を覚える。
頭の中で、バトルアックスを振りかざす事、
あるよなぁ〜

切ない少女の青春。(か?)

桜庭一樹を読破した。
とっても、とっても、良い時間だったのね。
解説の通り、読み手をざわざわさせる小説だった。

推理小説?サスペンス?いえいえ、
昭和の香りがする不良物語。

スタバでざわざわしているワシ....
残り10ページをきった所で、
本屋に駆け込む。
次の桜庭作品を仕入れる為だ。次の作品はブルースカイ。
読み終えた後、まるでエアロビクスを終えたような恍惚感が襲う。

消えてほしくなかったから、消える前に次の作品に手を出す自分が居る。
何かを繋ぎ止めておきたかった。

piccolo

theme : 読書感想文
genre : 小説・文学

tag : 桜庭一樹 少女には向かない職業

2008-01-28

仲村清司の独断偏見!! 沖縄とっておきの隠れ家

仲村清司の独断偏見!!沖縄とっておきの隠れ家仲村清司の独断偏見!!沖縄とっておきの隠れ家
(2007/03)
仲村 清司

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面白い本だった。とにかく著者の文章に引き込まれる。文を書ける事って凄いと感じる。内地にいても美味い飯が食いたくなるような、独特の切り口で沖縄の那覇にある店、食事、オーナー、音楽達が料理されて行く。飯の食い方一つにしても、これだけこだわりがあり、楽しむ姿勢が何とも共感出来る。著者の愛を感じるのだ。

中には本当に内緒にしておきたい物もあり、読んでいて得した気分。人には知られたくないけど、自分が愛した物だから繁盛もして欲しいと言う複雑な気持ちをその文面から読み取れた。在り来たりな情報誌だけでなく、こう言ったディープな物もあるのだと不適な笑みを浮かべつつ、次回の沖縄を思う自分がいた。

仲村氏の病状、心から心配しています。

piccolo

theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

2007-11-26

住まなきゃわからない沖縄

住まなきゃわからない沖縄 (新潮文庫)住まなきゃわからない沖縄 (新潮文庫)
(2004/11)
仲村 清司

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面白い視点からの沖縄ワールドだった。広告で、ディープな沖縄を知るなら。的な事が書かれていたが、沖縄がディープなのではなく、仲村清司さんのフィルターを通した沖縄ワールドが面白いのだ。文章が書けるって素晴らしいと思った。少なくとも良いことばかりじゃない沖縄を知りたくて手にした本なのに、ますます沖縄に魅力を感じたからだ。確かに沖縄の長所ばかりが書いてあるわけではない。でも幻滅はしない。むしろそうした沖縄の「負の遺産」をも魅力に感じさせてしまう、仲村ワールドがそこにはあった。

とても興味深かったのは、あとがきに書かれていた実際の仲村氏の人物像。沖縄移住相談所と看板が掲げてある、本文の中にも出てくる店での話。仲村氏が一番苦悩していた時期では?と言われる頃の話だが、彼の物書きの部分から想像出来る人物像とはかけ離れた姿が、店の奥にあったと表現されていた。全く未知の土地で、何もかもが不安だったのだろうと。この一言で、沖縄事情が想像出来る。今は書く仕事が軌道に乗り、本土にいた頃と変わらないくらいの収入が見込めてると言う。その間の苦労も書かれていたが、そんな危機感を感じることなく読み進める。国際通りの占い師に視て貰ったのも、もしかしたら相当の覚悟だったのかもしれない。

とにかく楽しい本だった。沖縄を知る人知らない人。沖縄に興味がある人、ない人、どっちでもない人。誰が見ても面白い本ではないだろうか。それくらいに著者の文章が素晴らしい、その観察力が見事な一冊

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theme : 沖縄
genre : 地域情報

2007-11-18

住まなきゃわからない沖縄

今、仲村清司著書の、『住まなきゃわからない沖縄』を愛読している。なぜ移り住んだ者たちが、内地へ帰って行くのか?その八割以上が帰って行くそうだ。自分も、沖縄病にかかった一員として、この事実は興味深い。それを知りたくて、手にした本だが実に面白い。知らなかった真実が独特の文章によって、実に見事に描かれている。

仕事がないと言われる沖縄で、変わり種の職種紹介もあった。想像すると、震えがくる恐ろしさ。そんな仕事もあるんだなあ。

恋愛もそう、仕事もそう、石の上にも三年と言うではないか。家族の看病や転勤等はあり得るだろう。何につけ、長続きしない人はしない気がする。誰もがホームシックになるようである。それを越えることが第一の関門な気がする。まだまだ観光では見えない沖縄を、見ようとしていない自分がいるのかもしれない。

沖縄を探るなかで、楽しい本に出会えたのだった。

piccolo

theme : こんな本を読んだ
genre : 本・雑誌

2007-02-01

「死の医学」への序章を読んで

「死の医学」への序章 「死の医学」への序章
柳田 邦男 (1990/10)
新潮社
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とても難しかった。簡単に読める様に書かれていると思うのだが、正直読み進んで行く事が辛かった。途中で読むのを止めようとも考えた作品だった。柳田邦男さんの文章ではない感じだった。

テーマが難しい事もあるが、情景が頭に浮かばない。文をダラダラ読んでいるだけだった。ちょっと読書に自信がなくなってしまう。元々読書をしない方だったが、柳田邦男作品に出会ってから本を読む喜びを知った。次の作品を読むのが億劫に感じる自分がいる。

theme : 読書
genre : 小説・文学

2006-11-29

犠牲(サクリファイス)?わが息子・脳死の11日

犠牲(サクリファイス)?わが息子・脳死の11日 犠牲(サクリファイス)?わが息子・脳死の11日
柳田 邦男 (1999/06)
文藝春秋
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読みやすかったな。

テーマは重いけど、一方的な物の見方をされない心遣いが伺えた。物事を360度の目線で説明されているので、ごり押しな文章じゃなかったし、沢山分かった事もあった。何が惹かれる理由か分からないけど、夜勤の仮眠休憩の時間に一気に読んだ。何が面白くて、何に惹かれたのか分からないのだから説得力がないが、これだけ重たく難しいテーマを自分が読めたのだから、相当優しく書かれていると思う。無くなられた洋二郎さんの目線を想像出来る事も興味深かった。なぜ心病む人に「頑張れ」と励ましてはいけないのか。自分なんかが解らない心の闇と、常に闘い続けているんだと言う事。そして、その答えは自らの命を絶つと言う事。言葉にすると簡単だけど、その心の闇ってどんな世界なのかと言う事を少しだけ理解出来た事が大きかった。自ら命を絶ち、救命病院で脳死になる。机上論では絶対に計算出来ない真実が、この本にはあると思う。とても熱い本だったけど、熱いまま語らずに淡々と進んで行くのが真実味を感じさせられる。自分の死、相手の死、他人の死、死の受容の在り方を、経験していなくても想像させてくれる本だ。死の話はタブーではない。むしろ、いつ訪れるか解らない『死』をどう迎えるか、生きた証をどう残していくか、難しい問題なのに解りやすく書いてあった。脳死どうのこうのは全く解らないが、一人称、二人称、三人称の死の違いはとても共感出来た。他の作品も見たい気持ちがいっそう深まった。

theme : 読書
genre : 小説・文学

2006-11-29

サクリファイスの感想もう一個

犠牲(サクリファイス)?わが息子・脳死の11日 犠牲(サクリファイス)?わが息子・脳死の11日
柳田 邦男 (1999/06)
文藝春秋
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惹かれた本だった。なぜ惹かれたのかは、じっくり考えてみようと思うが、これだけ著者の家庭環境を赤裸裸に暴露しているにもかかわらず、一方からだけの視点で物事を考えていないように感じた。これだけ難しいテーマを自分が読む事が出来たのだから、優しく書いてあるのだと思う。 一番興味を持ったのは、なぜ心病む人に頑張れと励ましてはいけないと言われるのかが解った気がした事。著者がご子息の死後、彼の日記や小説の中からその目線を解説している。対人恐怖症とは、通常の社会生活をする事にどれだけストレスがかかっているか。普通の人が感じる事のない孤立感、恐怖感、その目線を少し理解出来た事が興味深かった。 脳死と言う重たく、難しいテーマだったが、とても読みやすかった。

theme : 読書
genre : 小説・文学

2006-09-07

マッハの恐怖

マッハの恐怖

今年に入ってかなりの数の本を読んだ。多分35年間生きて来て一番本を読んだ年ではないだろうか。今日読み終えた本は、10年前くらいに一度読んだ事のある本だ。柳田邦男著者のマッハの恐怖である。

これを機に、柳田邦夫氏の本ならば自分にも優しく読めると言うことは覚えていた。今年に入って本を読むきっかけになったのは、白夜行を読んだ事から。あの分厚い小説を読みきったことが自信になって、日航ジャンボ機が尾巣高山の尾根に墜落した事故から20周年の番組を見て、これに関連する書物を読んでいる。柳田邦男氏が書いた日航機墜落事故の書物を探したが、見つからなかった。事故の視角http://www.amazon.co.jp/gp/product/4163346406/sr=8-1/qid=1157817724/ref=sr_1_1/249-4271280-5472314?ie=UTF8&s=gatewayと言う本に、触り程度の事が書いてあったが、以前読んだマッハの恐怖の切り口であの事故を分析するとどうなるのかが興味深かった。そこで、もう一度マッハの恐怖を読み返したくなったのだった。

10年前に読んだときには、飛行機に乗った事すらなかった。飛行機は恐ろしい物なんだという印象だけが残り、初めてジャンボ機に乗ったときは、スチュワーデスさんに落ち着かせられるほどパニックになったのを覚えている。改めてこの本を読むと、事実の追求がどれほど困難で地道であるかを思い知らされる。事実であっても、圧力に捻じ曲げられてしまう日本の事故調査の実態。事実のみを淡々と綴られていく様に、言葉をなくしてしまう。この羽田沖墜落事故時、自分はまだ生まれていなかった。しかし、この事故調査の凄まじさを古く感じないのはなぜだろうか。その姿勢に、劣化は無いと言う感想を持った。

今回マッハの恐怖を読む前に、柳田邦男氏の作品を何作か読ませていただいた。御子息を亡くされている事を知り、時の経過を感じた。自分には難しいと感じたが、死の問題も取り上げられていた。そこから医療事故の問題に触れていて、少し遠いが『介護』を仕事としている自分にも厳しく問いかけられているように感じた。

改めてマッハの恐怖を読んだ。現在の日本の事故分析や事故調査も不完全であるように思ったが、羽田沖事故においてパイロットミスに結びつけてしまおうとするお粗末さに呆れ果ててしまった。もしも、この時の山名教授が行っていた科学的調査が受け入れられていたら、近年の大事故が防げたかもしれない。

こんなに素晴らしい本を読んだあとに自分の駄文が情けないが、本を読む幸せは感じる事が出来ているのである。

theme : 読書
genre : 本・雑誌

2006-08-31

沈まぬ太陽

沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇
山崎 豊子 (2001/12)
新潮社

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凄い本だったな。2005年の8月にテレビで放映された、御巣鷹山に墜落したジャンボ機事故のドラマを見てから、この事故関連の本を読みあさっている。この本は名前こそ違うが、事故を起こした航空会社をバッサリと斬り捨てている。全てが金の魑魅魍魎達、正しい事をしようとするが故に組織から阻害される主人公。ここまでされて尚もこの組織に留まる理由は、同じく組織から阻害を受け、空の安全を守ろうとする同士への信頼だった。その正義をあざ笑うかの様な腐った組織形態。本当にこんな会社なのだろうか?この航空会社の飛行機には二度と乗りたくないと思った。御巣鷹山事故の遺族の方々は、この本を見て何を思うのだろうか?尊い520名の命は、こんな魑魅魍魎達のせいで犠牲になったなんて哀しすぎるではないか。

ノンフィクションタッチの小説だが、真実が何処にあるのかは読者のモラルにかかっているのかもしれない。これをそのまま信じ込むのも勝手だし、一方的な手法を疑うのもそうだ。ワシが凄いと思うのは、これだけの事を書いてしまった事による圧力を、筆者は覚悟しているんだろうと言う事。それだけこの事故への想いが強いのではないだろうか。小説の中でも、事故現場の壮絶さを分かっているのはその現場に携った者だけで、組織の上の人間は情報を操るだけで真実を見ようとはしていなかった気がする。

今年2006年の8月12日、日本航空を定年退職した元社員の方が、遺族をオンブして御巣鷹山を登る光景があったが、20年以上経ってやっと遺族の許しを請う事が出来る様になったのではないだろうか?何年経とうが消えない傷が、少し癒えた様な光景だった。

『命の値段』遺族に対する保証交渉をする巻があったが、日本人には馴染みが薄いしとてもドライに感じた。人1人に命が、お金に計算出来る計算方法があった事も驚きだが、やはり20年以上経って初めて補償交渉が出来るのではないのかと感じた。

全五巻と、スケールの大きい小説だが、2008年に角川ヘラルドより映画化が決定したようである。http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20060531-OHT1T00036.htm角川のホームページでも、制作が報告されていました。http://www.kadokawa-herald.co.jp/movie/movie_lineup_n.html

反響も色々あるようです。http://www.jalcrew.jp/jca/public/taiyou/asahi-shintyou.htmhttp://www.rondan.co.jp/html/ara/yowa3/

このドラマが、フィクションなのかそうではないのかは、読者が自由に感じれば良いのかと思う。今年事故から21年目。改めてご冥福をお祈り致します。410110428X.09._SCMZZZZZZZ_.jpg

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