長谷川穂積がやってくれた。あのウィラポンを9R19秒にドンピシャのカウンターでKOした。辰吉を引退に追い込んだウィラポンも37歳。どんなにハードな練習を積んでも、年には勝てないのか。それにしても長谷川選手のスピードは良かった。見ていて不安を抱かせない試合運びは、さすがだ。スピードが違った。試合が始まった瞬間、KOも期待してしまう感があった。それは、9Rに訪れた。一瞬.... なにが起きたのか分からない。ウィラポンがマットを舐めている。正に電光石火!ドンピシャのタイミングで右フックをお見舞いしていた。あのウィラポンが、戦闘能力を抹消されリングの片隅に這いつくばっていた。
サンスポニュースへ 辰吉のファンだった。
その歴史に幕を閉じさせたウィラポンの二度の敗北は、間違えなくWBCのバンタム級のチャンピオンは長谷川選手であることを証明する物である。ウィラポンを倒す事で再起のモチベーションを保っている辰吉選手が、今後どのように気持ちを作って行くのだろうか?ウィラポンを倒した長谷川に挑戦するのか?やはり、再起は無理なのか?もう一度、辰吉選手のボクシングが見てみたいのは、強い自分の願望である。
世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級タイトルマッチ12回戦が25日、神戸・ワールド記念ホールで行われ、同級王者、長谷川穂積(25)=千里馬神戸=が、前王者で同級1位、ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(37)=タイ=を九回19秒TKO勝ちで破り、2度目の防衛に成功した。昨年4月、長谷川に判定で敗れたウィラポンは、過去14度防衛したタイトルの奪還はならなかった。国内の現役世界王者は世界ボクシング協会(WBA)ミニマム級の新井田豊(横浜光)、WBC同級のイーグル京和(角海老宝石)、WBCスーパーフライ級の徳山昌守(金沢)、WBCフェザー級の越本隆志(Fukuoka)と合わせ5人のまま。
【戦評】
長谷川が序盤からスピードで上回った。上下に打ち分けるウィラポンに対し、手数で上回る長谷川がラッシュを仕掛けてペースを握った。六回には防御を固めるウィラポンをアッパーで崩し、よろけさせた。だが、七回、足を止めて打ち合うと、ウィラポンからボディー攻撃で反撃される場面も。八回、長谷川は再び距離を取って主導権を取り戻すと、九回は開始19秒でウィラポンの右に対し、右のカウンターのフック。ウィラポンは倒れ、立ち上がれなかった。
【略歴】
長谷川穂積(はせがわ・ほづみ) 80年12月16日生まれ、兵庫県西脇市出身。小学2年から元プロボクサーの父にボクシングを教わり、高校を2年で中退して千里馬神戸ジムに入門。99年11月にプロデビューし、03年5月、東洋太平洋バンタム級王座を獲得(3回防衛)。昨年4月、14連続防衛中だったウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)に判定勝ちし、WBC同級王者に。昨年9月、ヘラルド・マルチネス(メキシコ)に七回TKO勝ちし初防衛を果たした。戦績は22戦20勝(7KO)2敗。左ボクサーファイター。
◇持ち味のスピードでも圧倒
さすが日本プロボクシング界のエースだ。天性のスピードと勘を持つ技巧派サウスポーの長谷川が、老練なウィラポンを返り討ち。それも見事なワンパンチKOだ。
序盤から右ボディーストレートを伸ばしてくるウィラポンを、左アッパーから左フックのダブル、右アッパーなどで迎え撃った。特に左右のアッパーは鋭く、死角から前王者のあごを何度も直撃した。優勢のまま迎えた九回、相手が右を伸ばした瞬間、右フックがウィラポンのあご先を打ち抜くと、37歳の老雄はキャンバスに倒れていった。
「ウィラポンが日本で試合をするのはこれが最後。引導を渡す」と宣言して臨んだ一戦だった。昨年4月、当時14連続防衛中だったウィラポンに判定勝ちし、殊勲の王座奪取。同9月の初防衛戦を七回TKOで飾り、年間最優秀選手賞(MVP)に輝いた。今回は腰にチューブを巻いてサンドバッグをたたくなど下半身強化に取り組んだが、この日は持ち味のスピードでも力でも圧倒した。
地元・神戸で初めての世界戦で快勝し、2試合連続のKO防衛。「これで本当の王者になったかな」と自信もついてきた長谷川。国内の現役世界王者5人の中で、その才能のきらめきは随一であることを改めて示した。【来住哲司】
○…タイの国民的英雄だった前王者・ウィラポンのタイトル奪回はならなかった。来日後は「準備は万端。必ずベルトは持ち帰る」と強気の発言を繰り返したが、全盛期のスピードはなく、三回からは防戦に回った。昨年4月、長谷川に判定負けして約6年守った世界王座から陥落。それ以来、長谷川と同じサウスポーと戦い続け、対策を練ってきた。だが、結果は10年ぶりのノックアウト負け。37歳という年齢からくる衰えは隠せなかった。
(毎日新聞) - 3月25日21時13分更新
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